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ゴブリン(goblin=悪鬼)は敵意や悪意を持つたちの悪い精霊で、身体は小さいが力持ちで容姿は概ね醜く、洞窟や鉱山の地下に棲んでいる。彼らに対し、頭にHobをつけたホブゴブリンと呼ばれる種族は、悪戯好きだが人間に対して有用で好意的な精とされる場合が 多い。ドイツにはオールド・ニック(Old
Nick)と呼ばれるゴブリンの伝承があるが、このNickの名称は、死者の霊を守護する水の妖精たちニクシー(Nixies)に由来する。ウェールズのコブラナイ(鉱山ゴブリン)、イングランドのホブゴブリンやドワーフ、ドイツのコボルト、フランスのゴブランらと性質が似ている。
■詩「妖精王の示威行進」ウィリアム・アリンガム作
ゴブリン族の親戚の
王様の御髪(おぐし)の長いこと、
お出ましの時には4人のお小姓、
行く先々に妖精たちが
花をまいて迎えます。
後につづくはもろもろの
由緒あるトロル、地の精(コボルト)、水の精(ニクス)、
小鬼(ピクス)、木の精、小鳥、蝶、
その他この国の住人たち。
■物語「つむじまがりのゴブリン(「キューピー村物語」より)」ローズ・オニール作
「これはゴブリンというつむじまがりです。人を怖がらせることが大好きで、いつも誰かを驚かしては喜んでいます。浅はかな親は、小さな子供にゴブリンの話をしてしまうので、子供たちは本当にゴブリンが出たとき、死ぬほどびっくりしてしまうのです。これではゴブリンの思うつぼです。」
そんな嫌われ者のゴブリンのところに届いた一通の招待状。世界一陽気なキューピー・ファミリーに迎えられたゴブリンは...。
■物語「ウンディーネ」M・フーケー作/岸田理生訳
「するとその時、信じられないような光景が現れたのです。私は青々とした野が、緑のガラスのように透けるのを見ました。平らな地面が球状に丸くなったのを見ました。そしてその中で、ゴブリンたちがひしめいているのを見たのでした。彼らは、金や銀を玩具のかわりにしてあそんでいるのです。もんどりうったり、ころがったり、頭を上にしたり下にしたり、金粉を互いの眼に吹きつけ合ってじゃれたりしています。」
■神話「フィンと鮭(フィン物語群より)」イアン・ツァイセック編/山本史郎・山本泰子共訳
知恵の鮭を食べたフィン・マク・クール(後にフィアナ騎士団を率いる。オシーンの父)は、ドルイド僧フィンガスの予言通りその鮭から予知能力と知恵を授かった。その後フィンは旅に出るが、やがてターラの宮殿を訪れコン王を困らせているゴブリンを退治する事になる。
「友よ、サワーンの日が近づいた。その恐るべき日に、小鬼(ゴブリン)アレンが我らのもとにやってきて、甘い魔法の調べで皆を眠らせてしまう。そして我らが眠っているのをよいことに、わが愛しのターラに火を放ち、灰燼(かいじん)に帰せしめるだろう。あいつは毎年これをやり、我らは毎年無から再び城を築かねばならぬのだ。お前たちのうちで、このような運命から我らを救ってくれるものはおらぬか?」
■物語詩「ゴブリン・マーケット(1862)」クリスティナ・ロセッティ(1830-94)作
リジーがうかがう様子を見て、
ゴブリンたちはみな打ち笑い、
こけつまろびつ近寄って、
飛んだり、跳ねたり、走ったり、
フーフー、ブーブー息を吐いたり、
手を打ち、クスクス、ケラケラ笑ったり、
コッコ、ゴロゴロ啼いたり、
口をゆがめてしかめ面したりした。
■創作童話「仔犬のローヴァーの冒険」J・R・R・トールキン著/山本史郎訳
「(海の)妖精たちは海のゴブリンたちとのいざこざがたえません。このゴブリンの連中ときたら、妖精よりも大柄の、みっともない乱暴者です。そして取っ組み合いのけんかをしたり、魚を狩ったり、タツノオトシゴにのって走り回ったりするほかは、何もしません。このゴブリンの連中は水から出ても長い間生きられるので、嵐のときに岸辺の寄せ波で遊んでいることがあります。海の妖精にも、水から長く出ていられる者がいますが、彼らは人気のなに浜辺で夏の暖かい、静かな夕べをすごすほうが好きです。」
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