Jonathan Swift ジョナサン・スウィフト

(1667-1745)アイルランド生まれ。幼くして孤児になり親戚に養われて成人し、トリニティ・カレッジで学んだ。その後、セント・パトリック大聖堂(ダブリンの英国国教会の聖堂)の主席司祭(デイーン)を務める一方で、文筆活動(副監督時代に、キリストを愚弄した「桶物語」を発表)を始め、1726年に「ガリバー旅行記」を発表。子供向けの冒険物語の中にも痛烈な風刺のメッセージを込めた。
スウィフトが生きた17〜18世紀のヨーロッパは「理性の時代」と呼ばれ、人々は大海原に漕ぎ出して遠い国の珍しい情報をたくさん持ち帰った。その一方で、人間の本質を見極めようとする内なる旅も盛んに行われた。人間とは一体どういう生きものなのか探求しようという動きが起きたのだ。懐疑論者で機知に富んだスウィフトは、人間が本当に理性のある生きものなのかどうか大いに疑った。そして、彼の作品「ガリバー旅行記」の中でも人間の愚かさや欠点を風刺的に描き、人間の本質をもう一度よく考えるようにと訴えたのである。
「自分の目的は人々を楽しませることではなく、怒らせることだ。」(スウィフト)

スウィフトの作品に見られる強烈な(病的な程の)人間への風刺と嫌悪について、夏目漱石(1867〜1916)は「一時的な態度ではなくて、彼の一生を貫いた、牢として抜くべからざる生来の性癖である」と評した。

関連書籍
「スウィフト考」中野好夫著/岩波新書

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